はじめに|「ステーブルコイン=安全」は本当?
「ステーブルコインって、ドルと連動してるから安心でしょ?」
──僕も最初はそう思ってた。取引所に置いておく資産として、なんとなく「とりあえずUSDTにしておけばOK」って感覚。
でも、ある事件をきっかけに考え方が変わった。
それが、2022年に起きたUST(テラUSD)の“崩壊”。
1ドルと連動しているはずのステーブルコインが、一瞬で価値を失った。
この記事では、ステーブルコインの仕組みから、なぜUSTは崩壊したのか、
そして今も多くの人が使っているUSDT(テザー)やUSDC(USDコイン)にリスクはないのか?
僕の実体験も交えて、初心者向けにやさしく解説していくよ。
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まず、そもそもステーブルコインって何なの?というところから確認しておこう。
ステーブルコインとは、法定通貨(主に米ドル)と1対1で連動することを目的とした暗号資産のこと。
つまり、「常に1ドル≒1ステーブルコイン」で価格が安定するように設計されてる。
その“安定”を支える仕組みには、大きく2つある。
◾ 法定通貨担保型(USDT・USDCなど)
このタイプは、発行されたステーブルコインの枚数分の「本物の米ドル(またはそれに相当する資産)」を裏で保有しておく仕組み。
例えば:
- USDCが100万枚発行されたら、Circle社は銀行に100万ドル預けている
- これで「裏付けがあるから安心」という構造をつくっている
USDT(テザー)やUSDC(USDコイン)がこの方式に当たる。
ただし、後述するけどこの「裏付け本当にあるの?」問題は何度も炎上してる。
◾ アルゴリズム型(USTなど)
これは真逆のアプローチで、「法定通貨の担保を持たず、価格調整の仕組み(アルゴリズム)だけで1ドルを保つ」方法。
例:
- 1USTの価格が下がったら、連動しているLUNAというトークンを使ってUSTをバーン(焼却)して供給を減らす
- 逆に上がったら発行を増やす
この“自動調整システム”が崩れたのが、まさにUSTの事件だった。
◾ 担保構造の違いが“信頼性の差”になる
- 法定通貨担保型は「信用ベース」:発行元が本当に準備金を持ってるか?
- アルゴリズム型は「構造ベース」:仕組みが崩れたら一気にゼロ
どちらにもリスクはある。
だから「1ドル=絶対に守られる」というわけじゃない。
この後は、実際に起きた“UST崩壊”から何がわかるのかを見ていこう。
UST崩壊の教訓|なぜ「1ドル」を維持できなかったのか?
2022年に起きたUST(TerraUSD)の崩壊は、ステーブルコイン市場全体に衝撃を与えた出来事だった。
名前の通り「安定しているはず」のステーブルコインが、1ドルから大きく乖離し、最終的には1円以下にまで暴落した。
では、なぜそんなことが起きたのか? その原因を簡単に整理してみよう。

◾ LUNAと連動した“仕組みそのもの”が崩壊した
USTは、独自トークン「LUNA(ルナ)」と連動して価格を維持していた。
- 1USTが1ドル未満になると、LUNAを発行してUSTを買い戻す
- 1USTが1ドルを超えると、USTを発行してLUNAを焼却する
という“自動バランス”が売りだったけど、この構造には大きな弱点があった。
◾ パニック売りで連鎖崩壊
ある日、大量のUSTが一斉に売られ始めると、その価格を支えるためにLUNAの大量発行が必要になった。
でも、LUNAを発行しすぎると今度はLUNA自体の価格が下がってしまう。
結果:
- LUNAの価値が下がる → USTを支えられない → USTの信頼も下がる → さらに売られる
- という「負のスパイラル」が止まらなくなった
◾ 投資家心理が一気に崩れた
ステーブルコインは「みんなが1ドルだと思っている限り」成り立つ仕組み。
でも一度「これはもう1ドルじゃないかも…」と思われた瞬間、逃げ出す人が殺到する。
この心理崩壊が起きると、アルゴリズムは機能しない。
USDT・USDCは安全か?現在のリスク検証
じゃあ、今も多くの人が使っているUSDT(テザー)やUSDC(USDコイン)は安全なのか?
結論から言うと、「比較的安全ではあるが、リスクはゼロじゃない」というのが僕の考え。
それぞれの現状と懸念点を整理してみよう。
◾ USDT(テザー):世界で最も使われるステーブルコイン
USDTは、ステーブルコインの中で最も流通量が多いけど、
「裏付けとなる準備金が不透明」という問題が何度も取り沙汰されてきた。
- かつては「1USDT=1ドルの現金を保有している」と主張していたが、実際は債券やコマーシャルペーパーなどで運用していたと判明
- 2021年には、ニューヨーク州司法当局との和解で、運営企業が透明性向上の対応を迫られた
さらに、「Tether崩壊説」は定期的に浮上しており、大口の売りや金融ショックが起きたときに
「売り圧が集中するとどうなるか?」という不安は今も残っている。
◾ USDC(USDコイン):信頼性は高め。でも油断禁物
USDCは、アメリカのCircle社とCoinbaseが共同運営しており、
「監査体制」「準備金の構成」「金融機関との連携」などが比較的透明で、信頼されやすい。
ただし、
- 2023年には、シリコンバレー銀行の破綻によりUSDCが一時的に1ドル割れを起こした
- 銀行リスク・信用不安が間接的に影響することがある
つまり、「USDCは安全だから大丈夫」という過信は禁物。
【比較チャート】USDT・USDCの違いとリスク
比較項目 | USDT | USDC |
---|---|---|
発行元 | Tether社 | Circle+Coinbase |
監査体制 | 弱い(過去に問題あり) | 強い(報告書も公開) |
1ドル乖離 | 少ないが信用不安あり | SVB破綻で一時乖離経験あり |
僕の評価 | △(使うけど長期保有は✕) | ◯(比較的信頼できる) |
◾ ステーブルコイン最大の弱点:「逃げ遅れたら意味がない」
- ステーブルコインは“安定している時”は便利だけど、
- 一度ペッグ(1ドル固定)が外れると、“逃げる速度”が命取りになる
だからこそ、USDT・USDCといえども、「ずっと取引所に置きっぱなし」は危険だと思っている。
僕がやっているステーブルコイン対策|“信じきらない”備え方
ステーブルコインって、一見便利で安全に見えるけど、過去の事件や現状を知ると「完全に信用していいのか?」って疑問も湧いてくる。
ここでは、僕が個人的に気をつけている“3つの対策”を紹介するよ。
◾ 1. 取引所以外では極力長期保有しない
基本的にステーブルコインは「一時的な中継点」だと考えてる。
- BTCを売って円に変える前の待機資金
- アルトコインの買い替え時の一時避難先
…そういう“通過点”としては使うけど、何ヶ月も置きっぱなしにはしないようにしてる。
万が一、USDTやUSDCが問題を起こした時、取引所ごと影響を受ける可能性があるからね。
◾ 2. 分散先としてBTC・ETH・現金も持つ
「全部ステーブルにする」みたいな偏りは避けて、
- ビットコイン(価値保存)
- イーサリアム(実需資産)
- 日本円(リアル生活用)
とバランスよく分散してる。
◾ 3. ステーブルコインを“信用しすぎない”考え方
「1ドル固定=安心」と思い込みすぎないことが大事。
ステーブルコインも“ただの民間企業が発行しているトークン”であるという原則は忘れちゃいけない。
「いつでも1ドルで交換できる」と思ってると、崩れた時に対応が遅れる。
あくまで利便性のある道具として付き合う、これが僕のスタンス。
ステーブルコインと「ドルの信用」|根本的な問題は何か?
ここまでの要点まとめ
- ステーブルコイン=必ず安全ではない
- USDT・USDCも透明性に差がある
- UST崩壊のようなケースは再発しうる
- 「逃げ遅れ」が最大のリスク
この章では、もう一歩踏み込んで「ステーブルコインの背景にあるドルの信用」について掘り下げてみよう。
ここまで読んで、「1ドルに連動してるはずなのに、なぜそこまで不安になるの?」と感じたかもしれない。
でも実は、問題の根っこには「ドルの信用って永遠なの?」という、もっと深い問いがあると思ってる。
◾ ドルそのものの価値が揺らいでいる時代
アメリカはインフレ・財政赤字・国債増発が続いていて、世界中で「ドル離れ」の動きもじわじわ進んでいる。
例えば:
- BRICS諸国がドル建て貿易からの脱却を目指している
- 金の購入量が過去最高(=法定通貨から実物資産へ)
つまり「ドル=絶対に強い」という時代ではなくなってきてる。 そのドルと“連動しているだけ”のステーブルコインにも、不安が及ぶのは自然な流れなんだ。
◾ 「法定通貨に依存しない選択肢」としてのBTC
だから僕は、BTCを一定割合持つようにしてる。
- 自国通貨に不安がある国ほどビットコインの採用が進んでいる
- アメリカや州政府もBTCを備蓄し始めている
ステーブルコインが「ドルの代理」だとすれば、 ビットコインは「ドルの外」にある選択肢なんだ。
こうやって比較してみると、BTCの意味がよりリアルに見えてくると思う。
まとめ|ステーブルコインも“過信しない”のがいちばんの安全策
ステーブルコインは確かに便利な存在だ。
特に取引の中継や、法定通貨と仮想通貨をつなぐ架け橋としては、なくてはならない存在になってる。
でも、「安定している」という名前だけで100%信用してしまうと危ない。
- アルゴリズム型はUSTのように一気に崩れる可能性がある
- 法定通貨担保型でも、準備金や運営の透明性には常に目を光らせる必要がある
僕たちができることは、「何をどこまで信じるか?」を決めたうえで、分散と自己管理を意識すること。
ステーブルコインが“安定”であり続けるためにも、使う側のリテラシーがますます重要になってくる時代だと思う。
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